社長の寄稿実績

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「売れない時代のプロモーション活動」

戦略経営者「行列のできる工務店の社長覚書」

 工務店は提供する家の中身や家づくりへの姿勢、さらに堅実な経営が伴なわなければ、安定した受注を継続することができない。営業系の工務店であれば、何となくうまくやって刹那的に受注を伸ばすこともあるだろうが、設計力や施工力、さらに品質や性能確保の実力を磨かなければ、そんな良い状況も短命に終わる。また正反対にモノづくりの力をいくら醸成し、自画自賛しても、その独自の取り組みを世間に知ってもらう機会を増やすための手段や方法論を真剣に考え、行動に移さなければ今の時代を生き抜くことはできない。
 住宅市場は成熟期を迎え、世間が求めるレベルは以前にも増して高く、より厳しくなってきている。中小零細が多い工務店においてもモノづくりの姿勢を持続させながら、売るための戦術を効率よく整え、さらに総合力へと発展させなければならない。
 それではどのようにすれば、小さな資本で集客から受注の勝ちパターンを構築することができるのだろうか。
 周りを見渡してまず目につくのは、「チラシの作り方だけで集客が○倍に!」「○○戦略で受注が○倍に!」などの業界誌に溢れている広告である。このような広告に釣られ、成功事例を散りばめたセミナーを受講すれば、簡単に他人の情報を入手でき、場合によっては大金を支払い、その権利やツールを購入することも可能だ。

 もちろんこの類の誘いや広告がすべて誇大広告だと決めつけるわけではないが、他人の成功事例にばかり目を奪われるよりも、まず自社の置かれている状況や問題点を分析し、その方法が自社に適しているかどうかをしっかり吟味した上で取り組むべきである。さらに、いかなるプロモーションにも一攫千金はないこと、導入後の副作用を真剣に予測すること、費用体効果をしっかり把握すること・・・が求められる。大切なのは「真似する」ことではなく「考えること」。私が考える工務店のマーケティングとは、まず自社の家づくりの姿勢を多くの顧客に知って戴き、さらに集客から受注までの一連のプロモーション活動により顧客の購買心理を掴むことだ。
 さて集客には多種多様な手法があるが、一般的にはチラシを活用するケースが多い。仮に80万円の費用を掛けて折込みチラシを10万枚配布し、反響率が0.01%程度であれば、集客数は10組で集客単価は8万円/組。そのうち一組を受注できたとすると、受注単価は80万円/組である。単純に10棟受注するためには、年10回の折込みチラシだけで年間800万円相当が必要になる。また、来客にノベルティや景品を配布するなどして、集客数を誇らしげに自慢する工務店も見受けるが、大切なのは「集人」ではなく、「集客」だ。現場見学会などで物見遊山の人だけ集めても受注に繋がらなければ意味がない。折込みチラシばかりに頼る方法では、集客単価が必然的に上がってしまい、悪いことにチラシを打つ度にその反響や効果が薄れていく傾向が見受けられる。
 それでは少ない資本で効率よく集客するにはどうすればよいのか。たとえば、弊社は集客するためにパブリシティに着目してきた。住宅系雑誌や業界誌などに取材記事として、自社の施工例や家づくりの取組みなどを掲載してもらう方法である。この方法は費用ゼロで、大きな集客効果が期待できる。パブリシティはセカンドオピニオンとしての効果があることから、チラシなどの一方通行の情報発信と比べて信頼性があり集客力が高い。弊社は7年前に、当時は珍しかった広報専任者を置き、雑誌社やフリーランスのライターとも交流を深めていった。その結果として今でも月2~3誌の取材を受け、住宅系雑誌に建築事例や家づくりの取組みなどが掲載されている。無論、そのためには質の高いデザインやコンテンツなどの情報発信を繰り返すことと、取材依頼があった時に、寛容に受け容れてくれるOB顧客との日頃からの関係構築が必要だ。こうして弊社は広告宣伝費を最小限に抑え、本来のモノづくりへ軸足をおくことができた。
 売れない時代を生き抜くためには、自己分析をした上で、自社に適した独自性のあるプロモーション活動が必要なのだと思う。

清水 康弘

 戦略経営者「行列のできる工務店の社長覚書」 2010年6月号 No.284 TKC

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