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連載「デュアルライフ」

連載「デュアルライフ」

 皆様こんにちは。
 このたび、「デュアルライフ」と題して、2012年暮れに竣工した八ヶ岳北山麓の原村につくった私のセカンドハウス建築について、色々書かせて頂くことになりました。
 ただ別荘を持ったということだけではなく、どのような経緯で、どんなことを考えて建築に至ったのか?一施主として仕事人としてこの建築にまつわる2年余の経験を様々な登場人物のキャラクターを含めて面白おかしく、リアルに描いてみようかと思いました。
 さらにプライベートで始めたことにもかかわらず、結局は仕事が半分以上になってしまったことなど、読者の方々に上手く伝われば良いと思っています。
                   清水 康弘

 ・エピソード21「番外編3/清水、水道橋博士のアッシーになる!」 (2017.02.03 UP)NEW!
 ・エピソード20「番外編2/水道橋博士来たる!」         (2016.11.01 UP)
 ・エピソード19「番外編1/清水、テレビ出演を決断する!」    (2016.11.01 UP)
 ・エピソード18「デュアルライフ」   (2016.07.30 UP)
 ・エピソード17「断熱性能 その4」  (2016.05.06 UP)
 ・エピソード16「断熱性能 その3」  (2016.04.08 UP)
 ・エピソード15「断熱性能 その2」  (2016.02.05 UP)
 ・エピソード14「断熱性能」      (2015.10.31 UP)
 ・エピソード13「植栽の金額」     (2015.08.31 UP)
 ・エピソード12「植栽選び」      (2015.08.31 UP)
 ・エピソード11「植木と外構」     (2015.07.13 UP)
 ・エピソード10「断熱性能」      (2015.05.22 UP)
 ・エピソード9「現場の状況」     (2015.05.22 UP)
 ・エピソード8「凍結深度」      (2015.02.10 UP)
 ・エピソード7「プランニング」    (2014.11.10 UP)
 ・エピソード6「設計開始」      (2014.09.25 UP)
 ・エピソード5「ローン審査」     (2014.09.09 UP)
 ・エピソード4「土地を取得」     (2014.08.26 UP)
 ・エピソード3「家族への説明」    (2014.08.26 UP)
 ・エピソード2「理由(わけ)」    (2014.08.07 UP)
 ・エピソード1「よもやま話」     (2014.08.07 UP)

よもやま話

 仕事友達のHさんから、八ヶ岳山麓の別荘地内に2区画つながりの土地があり、資金の都合がつくまで代わりに買ってくれないかと声を掛けられた。
 一般的に考えればとても怪しい話に聞こえるところだが、Hさんは元ベンチャーキャピタル会社に勤めていて企業再生などを得意とする、謂わば金融関係の知識の達人だ。現在は会社を退職し、個人で工務店の再生計画などで全国を飛び回っていて、僕自身も交流のあるクライアントからの評価も極めて高い御仁なのだ。
 いきなり余談っぽい話だが、僕から見ても彼は頭脳明晰で仕事はできるし、それにスラッとした長身と端正な顔立ち、山と自然をこよなく愛し、さらに料理も得意でおまけにピアノも弾けるとくれば、もし僕がアラフォー女性だったら放っておけないような才色兼備の希有な存在だ。

 そんな彼は7年前に八ヶ岳北山麓の美濃戸高原(八ヶ岳登山口で知られている)に中古別荘を安く手に入れていて、東京~長野のデュアルライフを満喫していたことも折に触れて聴かされていたし、最近では八ヶ岳山麓周辺の土地勘ができたところへ、本業の企業再生で出会った元工務店社長と一緒に「ファインヴィラ」という社名の建築会社を長野県茅野市を拠点に立ち上げようとしていた時だったのだ。
 彼からの要望は1区画約300坪の土地価格は借地権で125万円、土地の賃貸人は茅野市財産区で管理会社を介した転貸借土地(125万円は坪単価ではなく、300坪の価格で地代は約10万円/年)を2区画分購入して欲しいということだったが、実はHさんからのこのよもや話に、僕ともう一人乗った人物(Tさん/企業経営者)がいた。
 僕とTさんは土地の下見もしないまま完全にこの話に乗り、お互い仕事は切り放した上で私的決裁ということで隣り合わせの区画をそれぞれ所有することになったのだった。

原村の風景 原村の風景

 後日談だが、その土地を数十年前に買って建築に至らなかった借地権者との仲介手続きに赤坂の不動産屋を訪ねた時の話が実に滑稽だった。だいたいHさんの案内で僕とTさんが連れだって相手が希望した会社へ土地の決裁に出向く訳だから、駅前不動産会社にありがちな大雑把で中途半端な重要事項説明では紛糾が避けられないと予感していたが、それが見事に的中してしまったのだ。
 よせば良いのに結構高いところから物言いをする年配の不動産仲介会社の社長。のっけから噛み合わずにいたところへ、頭のいいTさんの明快な質問にうろたえながらどんどん言い訳がましい説明になっていく社長。
 「すみません」「わかりません」「確認します」と素直に言えば良いのに、「いつもこれで通っている」と額に汗しながら必死に言い逃れに終始していた。
 僕が良く知っているTさんにしてみれば、書類と重要事項説明との整合性やコンプライアンスなど意味と根拠を聞いていただけなのに会話がどんどんおかしな展開になっていってしまい、とうとう僕に通訳(?)的な役割が回ってきてしまった。
 「で・す・か・ら」という、こんな時のために良く使う決め文句を何度も繰り返さざるを得ない顛末になっていった僕。さらに汗が冷や汗に変わっていく件の社長。結果的には、取り返しがつかないまでの契約書類不備はなかったので、細かいことは見逃した上で何とか土地の決裁は終わった。
 契約に立ち合ったHさんにしてみれば、このような展開になるということは予めわかっていたかのように沈黙を貫き通していたが、何とか軟着陸した帰り道にニヤニヤしながら「町場の不動産屋のレベルから考えて、土地の契約ってこんなもんでしょう。」とポツリとつぶやいていた。
                                            ・・・つづく

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