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連載「デュアルライフ」

断熱性能

 N大工さんが仕事をやりやすいようにと、美濃戸にあるHさんのセカンドハウスを宿泊所に使わせて戴いたり、雪道に配慮してスタッドレスタイヤを買ってもらったりと、至れり尽くせりの環境の中でNさんに仕事に集中していただいた。
 ただ、標高1300メートルの高原の厳冬期の生活なので、昔の造りの一般的なセカンドハウスは滅茶苦茶寒く、高断熱仕様で造っている現場の方が圧倒的に暖かかったとNさんは吐露していた。
 さて、スーパー大工の応援と熟練の現場責任者がまとめてくれたおかげで、3月には無事セカンドハウスは完成した。住宅のプロとしての立場で言えば、細かいダメ工事はあるものの、出来栄えとしてはまずまずである。
 意匠的なこともさることながら、今回の建築で最も大切なのは温熱環境である。
 だいたい避暑地の別荘と言えば、「カビ臭い」「寒い」というのが定番のようだ。特にカビ臭いという話は頻繁に聞く話だ。
 僕の仕事仲間の社長が、生命保険会社の知人が所有している蓼科の別荘を借りて子供連れで行ったのは良かったのだが、
「お父さん、カビの匂いで体調が悪くなりそうだから、帰ろうよ!」とせがまれて困惑したとか。
 建築中に知り合いの女性から僕が言われたことだが、
「清水さん、うちは伊豆と那須に二軒別荘を持っているけど、その教訓として、使わない期間は布団を押し入れにしまわずに、室内に陰干しできる物干し棒を取り付けておいた方がいいわよ!」などという類の忠告が寄せられるのは、読者の方も容易に想像できるのではないだろうか。
 しかし、カビ臭いのは完成すると仕上げに隠れる壁体内の結露が原因であったり、寒いという事実は建物全体の熱損失に問題があるなど、どれもこれも工学的に理科的に計算すればそれほど難しくなく対処できる課題のはずだ。
 ところが「別荘はカビ臭くて寒い」という意外にもメジャーになってしまった都市(田舎)伝説は、日本の木造建築の殆どに正しい断熱技術が使われていないということと、大手も中小企業も合わせた供給者の勉強不足に他ならないだろう。

                                            ・・・つづく

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