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連載「デュアルライフ」

断熱性能 その4

 省エネな家づくりの順番で大切なのは、まず建築物としての性能を第一義と捉えること。定量的で理科的な数値で家づくりをサポートできるつくり手が「良いつくり手」ということになる。その次に設備機器を考えるという順番は、良い家づくりのために普遍的なのである。
 先ほど理科的数値で定量的に把握することが必要であると書いた。理科的?定量的?と言っても何かピンと響かないかもしれないが、10年ほど前まで住宅の温熱環境については様々なことが言われていた。もちろん一部の研究者の間ではずっと以前から温熱環境をテーマに様々な実験や研究が行われていたが、実践的な技術としては特権階級の方々のみの技術に留まっていたのである。
 この頃は、一部の空調メーカーによる「当社製品従来比」という知見だけはあったのだが、例えば温熱環境等級を3から4へ、つまり新省エネ基準から次世代基準にすれば、暖冷房負荷がどれくらい軽減できるかといった知見は殆ど日常業務に使える知識として世の中に広まっていなかったようだ。
 
 さて、集いの山荘が完成して丸3年が経過した。夏は冷房なしでも快適、基本的に窓を開けて空気の入れ替えもしなくて大丈夫な状態である。冬はと言えば、水抜きもせずに無事に3回目の冬を越した。また、これまでに多くの設計士や工務店経営者が視察に訪れたが、温熱環境の素晴らしさに驚き共感して下さった。見よう見真似で男の手料理も覚え、ゲストをもてなせるレベルにはなった。
 少しだけ気に入らない点があるとすれば、折角植えた広葉樹の幹が鹿に狙われて食害されていること、もう一つは設置した薪ストーブを利用する機会がめっきり減ってしまったことである。

原村の鹿
 全国に生息しているニホンジカの数は30万頭(1989年)から261万頭(2011年)に急増している。ご多聞にもれず八ケ岳山麓周辺、特に長野県側では鹿が増え続けている。山里に点在する農家の畑を荒らさないように、地元の猟友会が出て一斉に山へ追い払ったことで主要道路の山麓側の別荘地内に頻繁に出没するようになってしまったのだ。
 また、繁殖が活発になった要因のひとつに、冬場に幹線道路の凍結対策で撒く塩化ナトリウムの存在が挙げられている。鹿は食物を吸収・消化させるために大量の塩分が必要になるが、飢えを凌ぐために山里に下りてきた鹿にとっては、餌を取った後に、消化のために道路に残った塩化ナトリウムを舐め、消化を助ける絶好の環境が整っているのだ・・・。
                                            ・・・つづく

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