空気質環境性能
CONSTRUCTION
1995年頃から大きな問題となったシックハウス。住宅を提供するものとして、「シックハウスをつくらない」ということは不可欠な目標であり、その責任があります。
このシックハウス問題に対応するため、品確法でも「空気環境性能」という項目を設け、その等級が示されています。
参創ハウテックが設定するのは、この「等級3以上を実現する」ということ。等級3で示された内容はもちろん厳密に守りながら、さらに清浄な空気質環境を実現するための工夫と、提供した住まいが確実に健康的なものになっていることを測定により確かめています。
建材の選択に注意を払い、適切な換気を実現し、さらに実際の空気の清浄さを測定で確かめる。こうした取り組みにより、参創ハウテックは「シックハウスをつくらない」という目標に向かっているのです。
屋内の内装の仕上げ材 | 天井裏等の下地材等 | 建築基準法における種別 | JIS表示/JAS表示 大臣認定 |
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等級3 | 等級3 | 規制対象外 | F☆☆☆☆等級相当 |
等級2 | 等級2 | 第三種ホルムアルデビド 発散建築材料 |
F☆☆☆等級相当 |
等級1 | 第ニ種ホルムアルデビド 発散建築材料 |
F☆☆等級相当 |
①換気回数0.5回/h以上の換気設備の設置
②局所換気設備の設置
※これらについては等級はありません。
住宅の完成段階における化学物質の実測を行う。
※希望する場合にのみ実施。等級とは無関係です。
設計ルールと手順1
「建材・素材選びに配慮する①
ー床材の提案ー」
室内空気にある化学物質を呼吸により吸い込むとき、その放出源としては「床から」がもっとも多いことが明らかになっています。これは生活時において座るという姿勢が多くあることから、床と鼻からの距離が近いことが理由です。
しかし品確法では、こうしたところにまで配慮されておらず、壁、床、天井の内装材は同じ扱いです。しかし参創ハウテックでは、とくにこの床材の問題を重視し、床材には無垢や厚貼り三層のフローリングをご提案するようにしています。

※床材には無垢や厚貼り三層の
フローリングをご提案しています。
設計ルールと手順2
「建材・素材選びに配慮する②
ー壁材・天井材の提案ー」
10数年前には新築住宅やリフォーム工事を行なった住宅で、喉の痛みや目がチカチカするなど主として接着剤が原因とされるシックハウスが社会問題になりました。その後、国から左表にあるような空気環境等級の指針が発表され、現在では住宅内の化学物質の発散量は相当抑えられるようになりました。
参創ハウテックでは、化学物質の発散を少なくするケミレスという考え方に基づき、建物自体の耐久性や劣化等にも配慮しながら建材・素材選びを行なっています。住まい手の暮らし方や特性を確認した上でのインフォームドコンセントを第一義と考え、その上で適材適所の建材・素材をご提案します。

壁や天井には自然素材を使った左官材料や壁紙を使います。とくに当社グループで開発した左官材料は、ホルムアルデヒド等の化学物質を吸着・分解させる効果が期待できます。
設計ルールと手順3
「建物の断熱性能や住まい手の暮らし方に適した計画換気を採用する」
品確法において換気に関する内容は「居室において0.5回/h以上の換気設備を設置する」という規定になっています。しかし、これは機械換気設備の換気能力について定めたものであり、こうした設備を設置したからといって適切な換気が実現される保証はありません。建物の気密性が低ければ、計画した通りに換気されない状況が生まれるからです。
参創ハウテックの家は、次世代省エネルギー基準で定められた気密性の基準をはるかに上回るものになっています。私たちが気密性も考慮するのは、温熱環境を整えるためだけではなく、清浄な空気環境の実現のためでもあるのです。
また、換気には下図のように大別すると三種類の方法があります。
参創ハウテックでは第3種換気設備を標準設備としています。その理由は一棟一棟温熱計算を行なった上で適切な断熱性能を確保できた場合、単純な設備の方が更新しやすくコスト低減を図れるからです。
また、さらに高い断熱性能を求められる場合や、その他の理由で必要に迫られた場合は、第1種換気設備を採用します。この場合の換気設備は熱交換型とし、冷房時や暖房時の換気の際も、外気温度を調節して室内に入れるため、室温に大きな影響を与えにくいのが特徴です。
このように換気設備の選別については、正しい温熱計算を前提にして住宅の断熱性能や暖冷房の方法などを考慮した上で最適な方法を考えるべきなのです。

現場の取組みとルール1
「施工に使用する資材の情報を確認する」
設計図書には「仕様書」という部分があり、そこで主要な材料が指定されています。もちろんそこには「F☆☆☆☆等級のもの」という指示もあるのですが、設計で指定された内容の材料が確実に現場に納入されているかどうかを確かめるのは現場の仕事です。
また、施工に使う接着剤や部分的に使う塗料は、見逃されがちなシックハウスの原因となるものであり、現場担当者がその内容を確認する責任があります。参創ハウテックでは、そうしたところにも十分な注意を払って工事を進めていきます。

現場に納入される材料が確実に設計で指示されたものであることを確認します

施工に使う接着剤などの材料についても、その成分などを確かめるようにしています
現場の取組みとルール2
「空気中の化学物質の安全性を確認する」
品確法で定められた建材を使った住まいでも、ホルムアルデヒドの濃度が指針値である0.08ppmを上回る事例も報告されています。その原因は換気の不確実さを含め、様々な要因が考えられます。
こうした実態に対応するには、実測をしてその濃度を確かめるしか方法がありません。ホルムアルデヒド以外の物質も含め、大事なのは「提供する住まいの空気が実際に清浄であること」です。参創ハウテックがすべての物件についてホルムアルデヒドの実測を行い、またその他の物質について実測を行って研究を進めているのは、こうした考え方に基づいているからです。

現場に納入される材料が確実に設計で指示されたものであることを確認します

施工に使う接着剤などの材料についても、その成分などを確かめるようにしています